旦那さんから不倫された方へ

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不倫調査

旦那さんから不倫された方へ

不倫を「心の殺人」だという人がいます。不倫は、配偶者の心を傷つける大罪です。
愛した人に裏切られたトラウマは、どれほど月日が経とうが、消えない傷として心の中に残り続けます。中には精神を病んで、人間不信になってしまう人もいるでしょう。
でもだからといって、ずっと塞ぎ込んでいるばかりでは何も進展しません。特に不倫発覚直後は自分で主体的に動かないと、旦那や不倫相手の思うつぼ。不倫されたうえに、その後も向こうの都合の良いように処理されてしまうなんて、絶対に許せませんよね。
不倫された時は、まずは何をすべきでしょうか。それはこの記事でお伝えします。

 

1. 不倫されて、まずすべきこと

 

 

1-1.感情を吐き出して、整理する

まずは冷静になって、状況を整理することが大切です。怒りや悲しみの感情を一度思い切り吐き出すだけ吐き出したら、客観的な視点で、今自分がどういう状況にいるのか整理してみましょう。
おすすめは、一度紙やノートに思っていることを書きなぐること。字や文章がめちゃくちゃでも構いません。書くだけ書いて、読み返してみたら、以前より少し冷静になっているはずです。そうしたらまた、思ったことを書いていきましょう。これを繰り返していくうちに、だんだんと客観的な視点から状況を捉えられるようになるはずです。
誰かに相談するという方法もありますが、相手が身近な人の場合、あなたに共感するあまりにその人まで感情的になってしまう場合があるので注意が必要です。そういった場合は相談して感情を発散した後、あらためて紙に文字を書くことで客観的な視点を手に入れることができます。

 

大事なのはまずは一度、冷静になること。

今後の指針を決める為には、感情のないロボットになったつもりで、ただ事実だけを淡々と把握することが重要になってきます。

 

1-2.一度旦那と冷静に話し合って、相手の気持ちを把握する

まだ相手が不倫バレに気づいていない場合は、証拠集めを先行すべきではありますが、一度冷静に旦那の言い分を聞いてみる機会を設けることも大切です。
不倫を絶対悪として、それだけで旦那を切り捨てられる人ならば話し合いは不要ですが、そんな風に簡単に割り切れる人は少ないです。まずは一度旦那の言い分を聞いたうえで、今後をどうするか考えてみましょう。
その際は、その場だけでもいいので、お互い一度冷静になってみる必要があります。売り言葉に買い言葉な感情的な話し合いでは、旦那さんが本当はどう思っているのか、どういう状況なのかが見えてきません。
一方的な断絶では、どうしても遺恨が残ります。話し合いは必要です。許す許さないはひとまず置いておいて、まずは第三者になったつもりで、きちんと旦那さんの言い分を聞いてみましょう。

1-3.離婚するか再構築するか決める

不倫された場合の未来は、離婚か再構築かのどちらかです。どちらを選ぶかによって、その後の対応が変わってきます。
離婚を選んだ場合は大きくその後の生活が変わってきますし、一度裏切った相手と夫婦関係を再構築することはとても難しいです。それぞれのメリット、デメリットを考えたうえで、どちらを選ぶか考えてください。
また、離婚するにしろ再構築にするにしろ、基本的には不倫をした旦那側の同意も必要です。お互いの意見が一致しない場合は、最悪裁判に発展してしまいます。そうなると色々と負担が大きくなってきますが、落としどころを決めない限りは先に進めません。個人的には不倫された被害者であるあなたが、譲る必要はないと思っています。不倫の証拠で弁護士を味方につけて、あなたの意見を押し通してください。

 

2.離婚を決めた場合にすべきこと

2-1.相手を有責にできるだけの不倫の証拠を集め、弁護士に相談する

慰謝料をもらって離婚をする為には、相手の不倫を立証するだけの十分な証拠が必要です。

また相手が離婚を拒否した時も、確実な不倫の証拠さえあれば離婚することができます。相手が全面的に自らの非を認め、どんな要望でも応じると言い出さない限り、証拠の確保は必須です。

証拠を集めることができたら、まずは弁護士に相談しましょう。

法律の知識がない素人が一人で話し合った場合、いいように丸め込まれて、損してしまう場合があります。また、話し合ったことをきちんと法的に有効な書類でまとめておかなければ、その後反故されてしまう恐れも。裁判をするにしろ示談で済ませるにしろ、きちんと法の知識があり、客観的に物事を捉えることのできる弁護士が間にいるのといないのとでは、大違いです。
口コミや知り合いの紹介などに頼って、信頼できる弁護士事務所を探しましょう。弁護士費用をケチって「少し脅せばこっちの言いなりになるだろう」なんて甘い考えで、知り合いに弁護士のふりをしてもらうのは絶対にやめてください。弁護士資格を持たない人が弁護士を騙るのは犯罪で、2年以下の懲役または300万円以下の罰金に処されます。きちんとした、正規の弁護士を雇ってください。

2-2.離婚後の生活基盤の準備をする

離婚したら生活は一変し、旦那さんがメインで稼いでいた場合は、家計が苦しくなります。離婚後の生活に困らないように、事前に新生活の基盤を整えておくことは大切です。
専業主婦や非正規労働の方は、旦那の収入をあてにできるうちに正規の仕事を探しましょう。向こうが不倫で有責であっても、収入次第では親権を取られてしまう場合もあります。絶対に子どもを手放したくない方は、必ず裁判になる前に正規の仕事に就労して、経済状況を安定させておくようにしましょう。
また、住んでいる場所が旦那さん名義の場合。離婚後に即家から追い出される可能性があるので、予め住居を確保しておくことも大切です。実家に頼れる場合は実家に、頼れない場合は不動産会社に相談して、離婚後の住居を探しておいてください。
旦那を有責にできるだけの証拠を集められれば、慰謝料を請求することができますが、初めから慰謝料をもらえる前提で動くことはあまりおすすめできません。きちんと正規の手続きにのっとって取り決めを行えば、旦那が支払いを渋っても強制的に取り立てることもできますが、残念ながら何が起こるかわからないのが人生です。慰謝料を払うことができない旦那が、全てを捨てて蒸発してしまう可能性も0ではありません。親権を取れば養育費を請求する権利もありますが、残念ながら踏み倒す父親もいます。
万が一に備え、まずは慰謝料や養育費をないものと考えたうえで、それでも生活できるだけの基盤を整えておくことをお勧めします。

 

3.再構築を決めた場合にするべきこと

もし離婚ではなく、再構築を決意した場合は一体どのような行動をとればいいのでしょうか。

3-1.相手を有責にできるだけの不倫の証拠を集め、確保しておく

再構築の道を選ぶのなら、不倫を立証する必要もないと考える方もいるかもしれませんが、万が一再構築を失敗した時の為に保険をかけておくことは大切です。
再構築の為に慰謝料を諦めた場合でも、不貞行為が発覚して三年以内ならば、さかのぼって慰謝料を請求することは可能です。再構築に失敗して「あの時離婚していたら、旦那を有責にして不倫の慰謝料を請求できたのに!」と悔しがることがないように、きちんと不倫の証拠は確保して保管しておきましょう。
三年以内ならばいつでもまた慰謝料を請求することができると思えば、旦那さんに対するジャッジの目も変わってくるはずです。「今離婚したら損するから」なんて理由で、ずるずると不毛な努力をし続けることはありません。あなたは不倫された被害者であり、離婚するかどうかの主導権はあなたが握っているべきです。
旦那がちっとも過去の不倫を反省していないと確信ができたら、すぐに証拠を弁護士に提出して、三行半を突き付けてやりましょう。

3-2.不倫相手に慰謝料を請求し、場合によっては旦那にも慰謝料を請求する

再構築を選んでも、不倫相手に慰謝料を請求することは可能ですし、なんなら旦那に慰謝料を請求することもできます。残念ながら離婚した場合に比べて、もらえる慰謝料の額は減ってしまいますが、きちんと取れるものを取って旦那にも不倫相手にも、自分がどれだけ罪深いことをしたのか思い知らせてやりましょう。そういった意味でも、旦那が有責だと証明できる証拠の確保は重要になってきます。
ただW不倫で、相手の旦那にはまだ不倫の事実が露見していない場合。不倫相手に慰謝料を請求したことによって、不倫相手の旦那から慰謝料を請求されることもあるので注意が必要です。旦那と自分の貯金をまとめて家のお金として考えるか、それぞれ別の貯金と考えるのかで、対応は違ってくると思います。
「向こうの旦那にばれて慰謝料を請求されると困るから、不倫相手に慰謝料を請求するのはやめてくれ!」なんて身勝手なことを不倫旦那から言われた日には、はっ倒したくなると思いますが、旦那との再構築を考えている場合一考の余地が必要です。
甘やかし過ぎても調子に乗らせることになりますが、厳し過ぎても遺恨を産むので、再構築を選んだ場合はその辺りの調整が難しいです。不倫旦那の性格次第でも対応は違ってくると思うので、絶対の正解はありません。

慰謝料及び不倫相手への制裁を取るか、旦那の要望を飲んで貸しを作るか。後悔しない選択をしてください。

3-3.誓約書を書かせる

喉元過ぎれば熱さを忘れるという言葉がある通り、人間の反省は続かないものです。それが口頭だけのやり取りならば、なおのこと。「不貞行為」を犯した証を残しておかなければ、自分の都合の良いように記憶が改ざんされてしまうことさえありえます。
なので再構築を考える場合は、その後のトラブル発生の予防のためにも、旦那に不倫誓約書を書かせることが大切です。
不倫誓約書を書かせればそれ自体が不貞行為の証拠になりますので、その後再構築に失敗して離婚を考えた時に、あなたに有利に交渉を進めることができます。
誓約書を書かせることによって、不倫をした旦那に自分がしでかした行為がどれだけ重いものだったのか、心理的なプレッシャーを与えることもできます。また誓約書に「接触禁止の約束に反したら〇円支払う」「再度不倫したら〇円支払う」など事前に損害賠償の取り決めを行うことによって、不倫の再発防止にもなります。
不倫誓約書は旦那だけではなく、不倫相手に書かせることもできます。何らかの罰則がなければ不倫相手は反省しないので、先に記載したW不倫の例のように慰謝料を請求できない事情がある場合は、不倫誓約書は必ず記入させましょう。誓約書の中に、不倫の事実が不倫相手の配偶者に露見して慰謝料を請求された場合、改めてこちらからも慰謝料を請求する旨を記載しておけば、旦那の為に慰謝料を請求できずに歯がゆい思いをしていたとしても少しは溜飲が下りるでしょう。
ただし違約金があまりに高額な場合、公序良俗違反として制約が無効にされることがあります。また「以後女性との会話を一切禁じる」といった相手の人権を無視したような制約も、同じく無効になる可能性があるので、できるだけ現実的な内容・金額を設定しましょう。
金額の妥当性や書き方など、詳しいことは弁護士の無料相談会で聞くこともできるので、ネット検索だけでは不安な場合はそちらをご活用ください。

 

4.不倫の証拠集めには探偵を活用しよう

離婚する場合にすべきことと、再構築を考える場合にすべきこと。それぞれ記載しましたが、どちらにしても不倫の証拠の確保は必須です。ですが、法的に有効な不倫の証拠を、個人で確保することはとても難しいです。
法律における「不倫」とは、「不貞行為」であり、肉体関係の事実が必要となってきます。ただデートをしたり、キスをした程度では「不貞行為」とは認められないのです。
肉体関係にあったことを示す具体的な証拠とは、「本人と不倫相手の顔がはっきり映った、性行為を行っている映像や写真」や「ホテルに出入りをしている、それぞれの顔がはっきりわかる映像や写真」などをいいます。「性行為を行ったことを本人が自白した音声」が証拠になる場合もありますが、「冗談のつもりだった」「あれは自白した人物の一方的な妄想」と言い訳されてしまう場合もあるので、確実な証拠にはなりません。性交渉を行っていることを匂わせるメッセージのやり取りや、会話の録音なども同様です。車がラブホテルに止まっているGPSの記録なども、「車を人に貸していただけ」と言い逃れされてしまえば、決定的な証拠にはならなかったりします。
決定的とは言えない証拠でも、複数証拠が確保できて弁護士が有能であれば、慰謝料を勝ち取れる可能性は十分にあります。それでも、できることなら確実に慰謝料を勝ち取れるだけの証拠を確保しておきたいところです。けれど素人が上記のように「性交渉を行っていることが明らかな場面」の「本人とはっきり判別できるくらい、鮮明に顔が映った証拠」を手に入れるのはとても難しいです。旦那の動向をもとに、性交渉が行われる場所と日時を割り出さなければなりませんし、その上で相手の顔がはっきり判別できるような撮影を行う、度胸と技術が必要になってきます。
また旦那の不倫相手が、全く知らない相手の場合。不倫相手を訴えるためには、相手の素性も調べる必要があります。けれど中にはマッチングアプリのような、匿名性の高い場所で出会った女性と不倫している場合もありますので、そうなると素性の調査はますます大変になってきます。尾行して相手の住所を特定しようにも、一歩間違えればストーカーとして逆に訴えられてしまうかもしれません。
その点、調査をプロの探偵に任せてしまえば安心です。何度も不倫調査を行った経験があるプロの探偵ならば、ターゲットに気づかれないように尾行する術を習得していますし、決定的な現場を押さえ、ターゲットの顔がはっきり映るように撮影する技術も持っています。不倫相手の素性を調査する手段も、きちんと心得ているはずです。初期投資こそある程度必要になってきますが、慰謝料を請求することさえできれば、そこから調査費用を回収できる可能性も高いです。離婚後の生活費とは違って、探偵費用の支払いは恒常的な支出ではありません。よほど旦那や不倫相手がうかつか、自分の調査力に自信がある人でもない限り、一時的に借金を負うことになったとしても探偵費用はケチらない方が将来の為です。調査費用や、調査能力は探偵事務所によってまちまちですので、ある程度口コミを調べたら、まずは一度お近くの事務所に相談してみてください。

不倫をされた時に大切なのは、とにかくまず行動をしてみることだと思います。愛する人から裏切られたショックで、現実から目をそらして無気力になってしまう気持ちはわかりますが、それでは何も変わりません。

より良い未来を手に入れるために、まずはこの記事の項目を参考にして、一つ一つ動いてみてください。

何をしなければならないか考え行動すること自体が、つかの間、あなたに傷つけられた痛みを忘れさせてくれるかもしれません。
そして全てを終えた後。勝ち取ったものを支えに、また一歩未来へと足を踏みだしてください。

Supervisor Information

監修者情報 | 金子 玄

慶福法律事務所代表

【出身大学】
慶應義塾大学法学部法律学科・大学院法学研究科修士課程を修了

【経歴】
平成19年 弁護士登録後、複数の都内法律事務所に勤務
平成25年 慶福法律事務所設立

【所有資格】
弁護士(識別番号36627_第一東京弁護士会)・図書館司書資格

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