家出する原因は?行き先を突き止め早期発見するためにできること

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実は、日本では年間8万人もの行方不明者がいるということをご存知でしょうか。
警察庁の報告によれば、その中でも20歳代の行方不明者数が最も多くなっており、10代から30代の若年層で見れば前年比2,664人の増加となっているそうです。

つまり、家出とは、昔のドラマなどにあったような思春期の反抗心から行われるものというだけでなく、いつ誰がしてもおかしくないものとなっているのです。

ではもしも、家族や友人などの近しい人が家出しまったらどうしたら良いのでしょうか。
そこで今回は、家出する原因とその後の対処法をご紹介します。

 

1. 家出する原因とその心理とは

家出してしまう原因は年代によって様々です。
しかし、その心理としては、大きく2つに分けられるかと思います。

それは、「自分を理解してほしい」という気持ちからしてしまう家出と、「全てを放棄したくなって」家出してしまうケースです。

その原因によっても、家出人の行き先は変わってきますし、原因を解決しないことには、家出を何度も繰り返してしまう可能性があります。

1-1. 学校や職場の人間関係が原因での家出

特に未成年者に多い家出の原因の一つです。
自分の存在意義を失い、学校や職場など、その原因が存在する場所へ行きたくなくなります。

しかし、原因が外にあるにも拘わらず、なぜ行き先が不明という家出をしてしまうのか。
それは、そういう状況に自分があるということを、家族などに知られたくなくて家以外の場所を行き先に選んでしまうというのです。

このような場合は、家出したことを責めるのではなく、問題解決への協力や、その心情に理解を示してあげることが肝心です。
そうしなければ、逃げ場を外に求め、再び行き先がわからなくなってしまうこともあるようです。

1-2. 学業・進路や仕事上の問題での家出

学業の不振や進路への悩みなどによることが原因で家出しまうケースは、昔から未成年に多くみられます。
また近年では、仕事上でのミスや仕事の悩みなどにより家出してしまう成人も増加傾向にあるようです。

それは、多くの期待や葛藤による重圧で苦しくなってしまうことが、家出という行為に向かわせてしまうのではないでしょうか。
また、その「期待を裏切りたくない」、「心配をかけたくない」という思いから、逃げ場を家ではなく、外へと行き先を選んでしまうようです。

1-3. 家庭や親子関係の問題での家出

家族との折り合いが悪く、家出してしまうというケースです。
特に未成年者の家出の原因に一番多いのがこのケースです。

家族との関係に悩むと、家に自分の居場所を感じられなくなり、その想いから家出してしまうのです。

ただ、未成年者の家出の場合、家出自体も短期間のものが多く、その行き先も近い場所ということが多いようです。

しかし、問題は、家出人が成人の場合です。
この場合は、さらに深刻な問題を抱えていることが多いです。

特に近年では、パートナーの親の介護の問題や、義両親との同居による価値観の違いに悩まされることでの家出も増えているようです。

介護は特に重労働です。
家事に育児、仕事の上に介護となれば、それは心身ともに消耗してもおかしくはありません。

このような場合は、特に精神的に追い詰められている場合が多いため、たとえ家出の行き先が判明したとしても、慎重に問題解決をすることが大切です。

1-4. 夫婦・恋愛関係が原因での家出

夫婦間の問題であればそのトラブルは、もしかしたら離婚という結論に行くことも多いのではないでしょうか。

近年では、D V問題や不倫による家出というのも増えています。
家出した本人にどれくらい帰宅する意思があるかによって、その家出の期間は変わりますし、原因によっては行き先も不明になってしまうことも多いようです。

特に恋愛感情が絡んでいるため、家出の行き先によっては不自由なく家出を匿ってもらえてしまいます。
そのため、家出の期間は長くなる傾向にあります。

それだけでなく、たとえば、家出をしたその行き先は不倫相手の家であった場合、そのまま不倫相手と失踪してしまうというケースもあるようです。

家出した行き先が判明しているからといって、問題解決を後回しにすると、面倒な状況になる場合もあるということを知っておくことも重要です。

1-5. 金銭問題が原因での家出

多重債務に陥っていた、悪質な貸付業者から借入してしまっていた、などということが原因で家出してしまうケースです。
この場合、日々の苦しさから逃げ出したい、という思いから家出しているので、家出ではなく、本人にとっては戻る気のない夜逃げや失踪、というパターンになることも多いでしょう。

そのため、家出の期間としては長期のものになりますし、その行き先も見当がつかない場所を選ぶ傾向にあります。

ただ、そこで一番問題なのは、家出人の行き先が分からないのであれば、失踪者に代わって返済義務が生じる連帯保証人などです。
もしもご自身がそのような保証人になってしまった場合は、早期の対処が必要です。

1-6. 病気が原因での家出

病気が原因での家出というのもあります。
これは、本人が意図的に失踪したのではなく、精神疾患などの症状による家出です。
それ以外にも、病気による余命宣告を受け、精神状態が著しく不安定になっている場合での家出というのもあります。

このようなケースでは、本人に正常な思考や判断能力が欠如しているため、行き先によってはとても危険な状況になってしまう可能性があります。
また、同様に行き先自体の心当たりもなく、発見が困難になってしまうこともあるでしょう。

そのため、家出人の捜索は早期に行うのが賢明です。

1-7. 宗教関係が原因の家出

宗教上によっては、つながりを絶ち入信することが義務付けられているというものもあるようです。
そのため、いきなり音信不通になったり、行き先が不明になってしまったりして、結果、家出となってしまうこともあるようです。

このような場合は、本人は家出したという感覚もなく、ただ、信仰や修行を続けているだけなので、家出の期間としては長くなる傾向にあるようです。
また、その行き先も、信者同士で共同生活が送れるような山奥であったりすることも多いため、行き先を突き止めて発見するということも困難になることも多いでしょう。

2. 家族や友人など近しい人がもし家出してしまったら

「家出」という言葉にすれば、どこか安易なものと捉えてしまいがちですが、実は、原因や行き先によっては、一歩間違えればその命さえ失ってしまうかもしれないものです。

だからこそ、「時間が経てば戻ってくる」と簡単に考えず、迅速な対応が重要です。

2-1. まずは心当たりがある行き先へ連絡する

もし、家族や友人など、近しい人が家出してしまった場合、まずは本人に連絡を取り続けることが重要です。
たとえ、連絡が返ってこなくても続けましょう。

その上で、家出人が家出の行き先に選びそうな場所、例えば友達や恋人などへも連絡を入れましょう。
もちろん、勤め先や学校など、本人に関わりがありそうな場所や、行き先を知っていそうな相手がいる場所も同時に行います。

そうすることで、その時点では家出人の行き先を知らなくても、いつか家出人と接触する機会があった際に、知らせてくれる可能性が高まります。

家出の期間中も、家には帰らずとも勤め先や学校へ行っている場合もあります。
家出人の行き先を知るためにも、関係先への連絡はしておくことをお勧めします。

2-2. 家出人の部屋から行き先を予想して探す

家出人の交友関係や関係先への連絡と同時いいに行っておくのが、家出人の部屋を調べることです。
例えば、スマホは無くとも、使用していたパソコンなどには、家出人の心情や家出した原因などが残されていることもあるからです。
場合によっては、それが突然の家出なのか、それとも計画的に準備していた家出なのかも判明する可能性があります。

それによっては、家出人の行き先が絞れてくることもあります。

何か無くなっているものがないか、反対に、何か手がかりとなるものが残されていないか。
家出人が普段生活していた部屋を調べることで、気づかなかった家出の原因やその行き先を突き止めることもできます。

2-3. 躊躇わずに警察へ相談する

「家出人と連絡がつかない」、「行き先が分からない」
このような場合は、躊躇わずに警察へ相談をしましょう

「大事になってしまうのではないか」「すぐに帰ってくるのではないか」
そう思うかもしれませんが、「もしもの場合」や「手遅れ」となるリスクを考えれば、それは些細なことです。

無事に戻ってくることを願うのであれば、「家出かもしれない」と思った時点で、警察へ行くことをお勧めします。

その上で、「行方不明者届」を出しましょう。
家出人が見つかれば、届けを引き下げればいいだけです。

無事に家出人の行き先が判明すること、そして、無事に帰宅することを考えるのならば、まずは警察へ相談し、「行方不明者届」を出すことが重要です。

3. 警察は家出人の行き先を探してはくれない

前項では、近しい人が家出してしまった場合、先ずはどうしたら良いかをご紹介しました。
もちろん、これらの対処法は重要であり、迅速に行うことが重要です。

しかし、警察へ行方不明者届を出したからといって、全ての家出人の行き先が直ちに突き止められ、家出人を発見してもらえるわけではありません。

警察では、犯罪に巻き込まれる可能性のある、事件性を感じさせるような家出の場合は、積極的に捜索を行い、家出人の行き先を突き止めてくれます。
その反面、そのような犯罪性の低い家出、つまりは、本人の意思による家出であり、家出後も通常の生活を送ることが可能と思われる家出人の場合は、警察のデータベースに行方不明者であるということが登録され、それに引っかかった場合に、家出人の行き先が判明するということになります。

つまり、積極的な捜索を行うのではなく、何らかの状況で警察に接触する機会があるまで、家出人の行き先は判明しないということになります。

実際、年間8万人の行方不明者届が受理されています
それら全てを警察が探すということは不可能なことではないでしょうか。

4. 家出人の行き先を突き止めるのなら探偵へ相談

警察へ「行方不明者届」を出したからといって、全ての家出人の捜索が積極的に行われるわけではないということを先述しました。

それでは、家出人の行き先を突き止め、早期に発見するためには、どうしたらいいのでしょうか。
そこで検討をお勧めしたいのが、探偵会社への依頼です。

家出人の行方調査を探偵会社へ依頼すると、探偵会社は犯罪性や事件性の有無で判断して調査するということはありません。
費用は発生しますが、依頼したその時点からすぐに家出人の行き先を調査し始めます。

しかし、探偵に家出人を連れ戻すという権限はありません。
調査の上、家出人の行き先が判明した後は、依頼人と家出人で話し合っていただくことになります。

また、家出人の行き先についても、調査のプロである探偵であれば、今までの家出人の行方調査の経験から家出人の行き先を突き止める手がかりを発見する場合もあります。

家出人の捜索は迅速に行うことで、その行き先を突き止め、早期発見する可能性を高めることができます。
もしも、ご自身だけでの捜索に限界を感じるのであれば、早いうちに探偵会社への依頼、または相談を検討することをお勧めします

5. 普段からコミュニケーションをとっておくことが重要

家出人の捜索というのは、いかに心当たりがあるかでも左右されます。
何が原因で家出をしたのか。
その家出の行き先はどこなのか。

近年では、思春期の子どもだけではなく、成人による家出も増えています
それに伴い、その家出の原因や行き先も様々です。

行き先を突き止め、早期発見するためにも、家出人に関する情報は多いに越したことはありません。
何に興味関心があるのか、どのような交友関係があるのか、行きつけの店などの行動パターンはどうなっているのかなど、どれほど家出人のことを把握しているかで、捜索の難易度は変わります。

そのため、普段からコミュニケーションを欠かさないことが重要です。

家出という行動結果だけ見れば、心配や不安を抱えることになった周りの人々からしたら、許し難い行為かもしれません。
しかし、それと同様に、「家出」という行動に出てしまうほど、家出人の心が追い詰められていたという証でもあるということを忘れないでください。

家出をさせないためにも、普段から家出に至る原因や問題を理解し、その問題解決に寄り添うことで家出という行動に移ることを防ぐことができるのではないでしょうか。

Supervisor Information

監修者情報 | 金子 玄

慶福法律事務所代表

【出身大学】
慶應義塾大学法学部法律学科・大学院法学研究科修士課程を修了

【経歴】
平成19年 弁護士登録後、複数の都内法律事務所に勤務
平成25年 慶福法律事務所設立

【所有資格】
弁護士(識別番号36627_第一東京弁護士会)・図書館司書資格

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