【探偵調査員の奮闘日記】出会い系にハマる女子✖生の話

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探偵小説

こんにちは、うな探偵社調査部長の竹中です。

今回のお話は、まだ携帯のなかった頃…テレクラなるものが普及していた頃の調査のお話です。
プライバシー保護のためフィクションを交えつつ、現代風にアレンジしてお話します。

今回調査を依頼したのは、某高級住宅街に住む専業主婦の奥様でした。
対象者となるのは華の✖️✖️歳、女子✖️生の娘さんです。

母親
「A子は女子✖️生と言っても、現在は学校には通っていません。まだ休学中というかたちですが、学校でいじめに遭い、不登校になってしまって…

でも、学校には行っていないはずなのに、気づけば毎日のように出かけて行くのです。

最初は、友だちがいるのならよかった、と思っていたのですが……」

竹中
「なにか気になることが?」

母親
「いえ、特になにかがあったわけではないのですが、外でなにをしているか訊ねても、あまり釈然としないのです。

お金もそんなに持たせているわけではないのに、何をしているのか、気になって」

竹中
「なるほど…それは不安ですね。わかりました。

娘さんの外出中の行動を、調査して確認してみましょう」

こうしてA子の調査が決まりました。

調査1日目。
不登校の女子✖️生A子は昼頃には自宅から出てくると、歩いて駅へ向かいました。白いワンピース姿です。

母親
「出かける時間も帰ってくる時間もバラバラなんですが、かなり遅い時間に帰ってくる日もあったりして。友だちをうちに連れてきたことも、一度もないし…」

「学校には行かないのに、制服を着て出かける日もあります。万引きや、悪いことをしていなければいいのですが……」

心配していた母親の姿が蘇ります。


A子は見た目からは、不登校であることも不良めいた様子も感じられませんでした。

A子を尾行すると、数駅離れた駅に移動し、そこで電車を降りると歩き出します。

しかし、立ち止まって花壇を眺めたり、コンビニに寄っては店内を一周するだけだったり、どうにもあてがなさそうです。

1時間ほど、A子は道をフラフラと歩いていました。

竹中
「不登校になって、家に引きこもるのも嫌になって、息抜きをしているだけなのかもしれないな…」

確かに、季節は学校ももうすぐ夏休みになろうかという夏。
今日は一段と天気がよく、外に出たくなる気持ちもわかります。

気を緩めそうになっていたそのとき、突然1台の車が現れ、A子の横に停まります。そして、A子は、その車に会釈すると助手席に乗り込んだのです。

竹中
「ピックアップされた。急いでくれ」

急いで駆けつけた仲間の車両に乗り込み、A子を乗せた車を追いかけます。

車は、少し走って近くのラブホテルに入りました。
車を降りて、ホテルのエントランスに入るA子たちを覗き見ます。

竹中
「少し見ただけだからわからんが……出会い系だろうか」

相手男性がかなり歳上だったことと、車から歩く短い距離での2人の距離感があまり近しそうではなかったこと、くらいしか情報がないので、はっきりとはしません。

そのままホテルで張り込んでいると、2人は1時間少しで出てきました。

また慌てて追うと、A子は乗った場所の近くで車を降り、車は走り去ります。
逢瀬の時間の短さから考えて、やはりあの男は彼氏というわけではなさそうです。

一応、今の相手男性の乗っていた車のナンバーは控えておき、今日は帰宅するまでA子の尾行を継続します。

男性とホテルを出て別れた後、またA子はあてもなく歩いている様子でした。
公園でブランコに乗りながらアイスを食べています。

が、また別の車が現れ、彼女の横に停まりました。
まさか、と思いますがA子はその助手席に乗り込みます。

追って行くとまた同じホテルに入りました。
今度は先程より若そうな、先程とは別の男です。

こんな感じで、何日か調査を続けると、A子は毎日のように1日に1人から3人とホテルに行って過ごしていることが判明しました。

竹中
「これまで4日間調査を行いましたが、やはりどの日も男性と接触してホテルに行っているようですね…」

母親
「まさかそんなことをしていたなんて……信じられないです」

竹中
「相手は車の人が多いので全員の顔をきちんと確認できているわけではないですが、どれも別の男性のようです。1人だけ、同じ男性を複数回確認していますが」

母親
「そんな人が……。まだ、もう少し、A子の様子を見て貰えますか。他にもなにかしているかもしれません。
でも、そのよく会うという男がきたら、どんな人か知りたいです」

竹中
「わかりました」
母親はA子のことを心配しながらも、少し呆れているようでした。

調査5日目。
この日、A子は朝早い時間に制服姿で出てきました。

遅刻気味の登校風景にも見えますが、やはりいつも待ち合わせに使っているらしい駅まで行くと、男性の運転する車に乗り込み、ホテルへ向かいます。

竹中
「……あっ!あいつじゃないか?」

1日目と4日目に確認した、同じ男です。
母親との打ち合わせ通り、今日は2人がホテルから出ると、男の車のほうを尾行します。

しばらく走行すると、相手の年配男性は某高級住宅街の一戸建て住所に入りました。
見覚えのある場所です。

竹中
「調査スタート地点、A子の家のすぐ近くだな…」

恐らく2人の出会いは出会い系でありお互いの住所は知らなかったのかもしれないが、すごい偶然があるものです。

しかし、依頼者である母親に電話をして
複数回会っていた男性が今日現れたこと、男性の自宅を割り出したこと、表札に掲げられている名前を伝えると、

母親は激怒して泣き崩れました。

A子と関係を持っていたその近所の男性は、母親の子供の頃から住んでいて、A子ともよく遊んでくれていた近所のよく知っているおじさんだったのです。

後日、怒った母親は男性のところに報告書を持って乗り込みました。

男性は最初は否定したものの、報告書を見てからは諦めたように平謝りだったそうですが、

最終的には“お互い、ことを荒立てずに周りの誰にも話さない”との条件で、謝罪金として500万円を受け取り、そちらの話し合いは終了しました。

金額的には調査料金にだいぶおつりが来た感じですね。
自分の娘が良く知っている人とそんなことになっていると知ったら、お金の問題ではないでしょうが。

娘のほうも、更生させなければと、後日、
報告書を並べて「何故こんなことをするのか」と問い詰めたそうです。

そこでA子が答えた台詞は
「だって、気持ちいいんだもん」

登場人物全員×××と思ってしまった調査です。

           おわり

~実話~

娘を心配する母の気持ちは強いです。

                    調査員A

Supervisor Information

監修者情報 | 金子 玄

慶福法律事務所代表

【出身大学】
慶應義塾大学法学部法律学科・大学院法学研究科修士課程を修了

【経歴】
平成19年 弁護士登録後、複数の都内法律事務所に勤務
平成25年 慶福法律事務所設立

【所有資格】
弁護士(識別番号36627_第一東京弁護士会)・図書館司書資格

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