こんにちは、うな探偵社調査部長の竹中です。
今回のお話は、“聖職者”の旦那さんの不倫調査から始まりました。
プライバシー保護のためフィクションを交えつつ、現代風にアレンジしてお話します。
今回、依頼者として訪れてきたのは、夫婦共に教員をしているという、40歳代のご婦人です。
いかにも教員という毅然とした態度で、奥様は経緯の程を説明してくれました。
奥様
「この3ヶ月位、急に主人の様子がおかしくなりました。家でもずっと携帯を触っていて、絶対に肌身離さず持ち歩く。
休みの日も「ちょっと買い物に」なんて言って何時間も帰らない。
明らかにおかしいと感じ、LINEを盗み読みました」
過去の投稿でも紹介している、他人のLINEを読む裏技を使ってご主人のLINEにログインしたそうです。
そうしたら、現在進行形で動いていた女とのLINEが。
以下、旦那さんがY男です。
仲睦まじいLINEが数ヶ月に渡り続いていたそうで、この「ハムスター女」との浮気が、最近の挙動不審の原因である可能性は非常に高そうでした。
奥様
「いい歳をして浮気をして浮かれていることには呆れました。しかし、LINEを読むうちに、もっと重大なことに気づいたのです」
奥様曰く、この🐹とY男のやり取りはあらかた読んだそうで、どうやらこれを読むに、🐹とY男は同じ学校の先生と生徒同士であるようでした。
浮気をしたことももちろん許せないし、妻として恥ずかしく、そして相手の女の子やその両親に対して申し訳ない。
そういった理由で、ご自身の離婚、そしてこの相手女性と別れさせ、2度と生徒には手を出さないよう教育の意味も込めて、浮気の証拠を掴みたいというご依頼でした。
依頼者である奥様がお仕事で火・金曜日は帰りが遅くなること、また土日の休みにY男は出かけて行くことが多いことから、平日・休日 1日ずつ調査をすることが決まりました。
調査1日目。
平日、Y男の勤務先で夕方のスタートです。
生徒がぞろぞろと帰って行った後に、Y男は通勤に使う車で出てきました。
さすがに、まだ助手席に生徒が乗っていたりはしません。
1時間程経ちましたが、Y男は本屋をはしごし、まだ帰る様子ではありませんでした。
今日はもう会わないのかな、と考えていると、Y男が車に乗る際に、すっと横から人影が出てきて助手席に滑り込みました。
さすが教師と生徒、周囲にバレたら困るため、しっかりと警戒しているようです。
さて改めて尾行の開始です。
Y男の車はしばらく発進せずに停まったままでしたが、動き出します。
2人はかなり離れた街までドライブすると、そこで食事を摂るようでした。
初めて、LINEの「🐹」が明るみに出ます。
🐹は、髪を肩まで伸ばした、至ってふつうの女の子に見えました。
40代の教員と不倫関係になるような女の子には…とても、見えません。
この日のデートはそれで終了だったようで、女の子はまた本屋で車を降りました。
今日はこの女の子の身元特定のため、こちらを尾行します。
女の子はそこから自転車で20分程かかる場所まで移動し、帰宅しました。
さすがに自転車で追った調査員もくたくたです。
若いって、羨ましい。
依頼者に“相手の女の子”だと思われる人物を特定したことを報告し、週末にも予定通り調査を行うことになりました。
その後、調査は難航することになりました。
そもそも離婚のための“浮気調査”とは”不貞の証拠を取ること”なのですが、
“不貞”というのは性行為やその類似行為のことであり、女性と一緒にドライブをしたり食事を摂ったりするだけでは“不貞行為があった”ということにはならないのです。
そしてこの不倫カップルは、時々食事に出てくることはありましたが、ほとんどの時間をドライブか、暗い駐車場の車内で過ごしていました。
これでは、教員と生徒の密な関係の証拠にはなりますが、奥様の求める不貞の証拠には少し弱いです。
そもそも、そういった行為はないのではないか……
2人の関係を考えると、その可能性も考えられました。
そこで、2人が車内デートをする姿を3度の調査で記録に収め、調査は終了することにしました。
本人に直接報告書を突きつけ、離婚を求めることにしたそうです。
しかし、報告書を渡したその日の晩、奥様から電話がありました。
奥様
「ああ、急にすみません。主人と話し合おうと思ったのですが……」
話し合いの場を持とうとした奥様は、逆切れしたY男に罵られ、そのままY男は飛び出していったということでした。
初めは動揺していた奥様でしたが、話すうちに怖いほど冷静になり、気付けばY男のLINEを確認していました。
奥様
「本当にお恥ずかしい話なのですが……見ていただけますか?」
なんと、Y男は生徒を連れて駆け落ちしようとしていたのでした。LINEには続きがありました。
12時に女の子の家……
駆け落ちの待ち合わせ場所が完成にわかってしまっています。
奥様
「せっかくなので…」
生徒と駆け落ちしようとしているY男に愛想を尽かせた奥様は鬼と化し、
このままどこへ逃げるのかは知らないが、いずれにせよ必ずホテルに泊まることになるのではないか?
せっかくなのでその証拠だけいただいてから、このばかばかしい旅行を終わらせてあげてもよいのでは。
と提案してきました。
確かにチャンスでは、あります。
ということで12時の待ち合わせに調査班も加わることになりました。
女の子を乗せたY男の車はすぐに高速道路に乗り、それこそ逃げるように、走り出しました。
奥様が想定していたより長く、朝まで走り続けたY男と私たちは、気づけばもうかなり離れた土地まできています。
しかしさすがに力尽き、奥様の読み通り、2人はホテルに泊まりました。
ホテルへの宿泊。“不貞の証拠”です。
奥様もY男に
「相手の子が可哀相だから帰してあげなさい。もうどこの誰だかも調べはついているのだから」というLINEを送り、既読がついているそうです。
「そのうち帰ってくると思います。ありがとうございました」と、今度こそ調査が終わりました。
おわり
~実話~
浮気の予兆、浮気の確信を得るポイントは浮気の数ほど様々ですが、LINEで決定的な会話をしていたら、確信を持たない人はいないのではないでしょうか。
調査員K